健康食品広告の「留意事項」、広告担当者が押さえておきたい改正ポイントとは?

健康食品広告の「留意事項」、広告担当者が押さえておきたい改正ポイントとは?

消費者庁は12月5日、健康食品の販売事業者が適切な広告を行うための注意点を整理した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(以下、留意事項)を改正しました。主な改正ポイントを解説します。

「不当表示の禁止」と「誇大表示の禁止」

景品表示法と健康増進法では、以下のように規定しています。

景品表示法 (不当な表示の禁止) 第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの。

商品・サービスの品質や価格についての情報は、消費者が商品・サービスを選択する際の重要な判断材料であり、消費者に正しく伝わる必要があります。ところが、商品・サービスの品質や価格について、実際よりも著しく優良又は有利であると見せかける表示が行われると、消費者の適正な商品選択を妨げられることになります。このため、景品表示法では、消費者に誤認される不当な表示を禁止しています。

健康増進法 (誇大表示の禁止) 第六十五条 何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(次条第三項において「健康保持増進効果等」という。)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。

食品として販売に供するものに関して、広告その他の表示をする際は、健康の保持増進の効果等について、虚偽・誇大な表示をすることが禁止されています。

8つの改正ポイントとは?

留意事項は2013年に制定されました。健康食品の広告は違反が多いことから、景品表示法と健康増進法の観点から注意すべき点を整理しています。

今回の改正で新たに追加された点を見ていきましょう。改正ポイントとして、主に次の8つを挙げることができます。

  • 「妊活」「腸活」など「〇〇活」も規制対象

  • 成分広告も規制から逃れられない

  • 不実証広告規制に関する事例の追加

  • アフィリエイト広告の責任は販売事業者に

  • ナンバーワン広告は十分な根拠が必要

  • トクホ、機能性表示食品の注意点を拡充

  • 「こんなお悩みありませんか?」と呼びかける手法に注意

  • 野菜や果物などの「明らか食品」も規制対象

今回の改正によって、規制の方向性や考え方が変わったわけではありません。従来の取り締まり方針に沿って、デジタル広告の普及などを踏まえ、より詳細な説明を追記したわけです。

これだけは理解しておきたい8つの改正ポイント

(1)健康保持増進効果の事例に「妊活」「腸活」を追加

インターネット上の健康食品の広告を見ると、「妊活」や「腸活」といった言葉が出てきます。今回の改正では「〇〇活」の表現にメスを入れました。

法規制の対象となる健康保持増進効果に「妊活」「腸活」を追加し、取り締まりの対象であることを明確にしたわけです。

これらは抽象的な表現のため、法に抵触しないと誤解する販売事業者も少なくありません。しかし、十分な科学的な根拠もなく、「妊活」「腸活」と表示した場合は法違反に問われます。

ほかにも「骨活」「脳活」といった言葉が見られますが、同様に規制の対象となります。

(2)配合成分の広告も規制対象

販売商品の広告で「ストレス軽減」「血圧が高めの方に」などと表示すると法違反に問われることから、配合成分の効果を説明したチラシや小冊子を作成し、商品に同梱するなどして消費者へ配布する販売事業者が散見されます。

しかし、そうした手法も法の規制を受けます。消費者庁では、販売商品の広告だけでなく、成分の広告(チラシ・小冊子など)も含む全体を踏まえて判断します。今回の改正で、この考え方をより明確にしました。

(3)不実証広告規制に関する事例の追加

景品表示法には「不実証広告規制」という仕組みがあります。これは、表示した効果の立証責任を販売事業者が負うというもの。販売事業者から表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料が提出されない場合は、法違反と認定されます。

今回の改正では、合理的な根拠を示す資料として認められない事例を拡充しました。

(4)アフィリエイト広告への対応方針

アフィリエイト広告に対する考え方をより明確化した点も、改正ポイントの1つ。アフィリエイト広告はアフィリエイター(個人)が作成しますが、広告内容が不適切な場合、広告主である販売事業者が責任を追うことを明確にしました。

加えて、景品表示法が定める「事業者が講ずべき表示等の管理上の措置」の順守も追記しました。

(5)ナンバーワン広告の注意点

「美容サプリ売上ナンバーワン」といったナンバーワン広告が流行していますが、そうした手法の注意点を追記しました。

ナンバーワンと強調するためには、十分な根拠が必要であると説明しています。

(6)特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品への対応

トクホや機能性表示食品の広告の注意点も拡充。特に、機能性表示食品では違法な広告が多いことから、注意を促しています。

機能性表示食品の広告については、留意事項だけでなく、消費者庁の「事後チェック指針」も合わせて、参考にしてほしいと呼びかけています。

(7)「こんなお悩みありませんか?」と呼びかける手法

インターネット上の健康食品の広告を見ると、「こんなお悩みありませんか?」と呼びかけて、「運動が苦手」「食欲が抑えられない」といった悩みの項目を並べる表示があります。

改正により、そうした手法も効果を暗示させる場合には、法規制を受けることが明確化されました。

(8)「明らか食品」をめぐる誤解

野菜や果物など、一見して一般食品とわかる食品を「明らか食品」と呼びます。医薬品医療機器等法(薬機法)は、「明らか食品」を規制の対象外としています。このため、小売関係者の間では、「風邪を予防する」「ガンを予防できる」などと店頭でうたっても問題ないと誤解する傾向があります。

しかし、景品表示法や健康増進法では、十分な科学的根拠もなく、そうした表示を行うと規制の対象となります。今回の改正では、この点を明確にしました。

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