ローコードアプリケーションによるWebサイト制作の潮流

ローコードアプリケーションによるWebサイト制作の潮流

CMS(Contents Management System)の一つであるWebflowは、ローコードアプリケーションとしてエンジニア、マーケター、デザイナーから人気を集めています。

ローコード アプリケーション はWebflowのような Web サイトのアプリケーションにとどまらず、他のデジタル エクスペリエンスを構築するためのツールも含まれますが、ローコード アプリケーション プラットフォーム (LCAP)市場は、著しい成長を遂げています。2021は63億円でしたが、2023 年には2022年から 25% 成長して 100 億ドル近くに達すると予想されています[※出典:ガートナー (2022 年 12 月)]

Gartner の LCAP (ローコード アプリケーション プラットフォーム)レポートによると、2025年までに「企業が開発する新しいアプリケーションの70%がローコード/ノーコード技術を使用する」と予測しています。

Webflowは特にこの市場でニッチな市場を切り開き、世界のCMS市場で1.1%のシェアを獲得し、世界で9番目に人気のあるCMSとなっています。

CMSランキング

Webflowは、ローコードまたはノーコードでWebサイトを構築できるプラットフォームで、デザインと開発が統合された仕様がユーザーから高く評価されています。CMSの機能があり、eコマースにも対応できます。190か国で350万人を超えるユーザーを顧客基盤としています。日本市場ではSTUDIOがローコードでは有名ですが、グローバルでは圧倒的にWebflowが人気です。

ローコード開発が人気なる背景

ローコード開発は、「コストとリソースの削減」といった文脈で語られることが多いです。日本では「コストとリソースの削減」と聞くと、割安なイメージが先行し、コスト削減のために採用されてしまいそうです。

昨今、ノウハウから技術まで多くのことが求められるようになりました。ローコード開発のメリットは、単純な作業を抑えて、付加価値のある業務に注力できることがメリットだと考える方が無難でしょう。特にコーディングの時間を圧縮できることは魅力です。

ローコードとノーコードは違うの?

ローコードはノーコードと同じニュアンスで使われることがあります。 厳密にはローコードとノーコードには違いがあります。 ローコードは必要に応じていくつかのコードを記述できます。もちろん、ほとんどコーディングを行う必要がないこともありますが、多くの場合ではコードを記述したい場面が発生するでしょう。妥協できない場合はローコードがおすすめです。

一方、ノーコードは、まったくコーディングを必要としないプラットフォームです。技術的な知識がなくても、直感的なドラッグ&ドロップなどを使って、迅速にアプリケーションを構築できるように設計されています。

FLOUIRISHは、カスタマイズ性を重視しつつもコーディング作業を最小限に抑えることができるローコードは、エージェンシーにとっても事業会社にとっても魅力的な選択肢になると考えています。

  • ノーコード プラットフォームはコーディングの経験がない人向けに設計されています(ノーコードのCMS の例は、Wix、Squarespaceなど)

  • ローコードはハイブリッドなアプローチを提供します。全くコーディングを必要としない使い方もできますが、より複雑な機能を実現するためにコーディングが可能です。(ローコードのCMSの例はWebflowなど)

ローコード開発が可能なCMS

ローコード開発プラットフォームの中には、CMS機能を備えているものもいくつかあります。以下に代表的なものを紹介します。

Webflow

Webflowはデザインに特化したローコードプラットフォームで、強力なCMS機能を備えています。クリエイターやデザイナーに人気があり、視覚的な編集でデザインを作成しながら、データベース機能を持つCMSを利用してコンテンツ管理が可能です。また、Eコマース機能もサポートしているため、オンラインショップの構築にも適しています。

Webflow

FLOURISHでは、Webflowによる開発を中心に、Webサイト構築におけるローコード開発を行っています。

Bubble

Bubbleは、完全なフルスタックのローコード開発プラットフォームで、データベース、ワークフロー、自動化機能を一体化したCMS機能を提供します。コードを書くことなく、複雑なアプリケーションを構築できるため、CMS機能も柔軟にカスタマイズ可能です。特に、アプリケーションの機能とデータ管理を一元的に処理できる点が特徴です。

bubble

WordPress + Elementor

WordPressは世界で最も広く使用されているCMSですが、Elementorを追加することで、ローコード的に操作できるようになります。Elementorは、ドラッグ&ドロップでページのデザインを行うことができ、プラグインの追加で様々な機能を簡単に統合可能です。この組み合わせにより、非技術者でもプロフェッショナルなWebサイトを構築できます。

elementor

STUDIO

STUDIOは、日本発のデザイン重視のローコード開発プラットフォームで、ビジュアルエディターを使用して、直感的にWebサイトやアプリを作成できる点が特徴です。CMS機能も備えており、デザインとコンテンツ管理の両方を手軽に行えるため、クリエイティブなプロジェクトに最適です。

Webflow vs Bubble

Webflow と Bubble はどちらも、デザインの自由度という点ではトップクラスです。 ほとんどの場合、Webflow の方が適しています。ただし、Bubble の方が基盤となるコードをより細かく制御できるため、複雑なアプリケーションを構築する場合はBubbleの方が適しています。Bubble で構築された非常に複雑な Web サイトには、Shopify、Notion、Kickstarter などがあります。

ローコードプラットフォームを組み合わせた開発

ローコードとローコード、もしくはノーコードを組み合わせた開発は、異なるツールやサービスを統合し、開発プロセスをさらにスムーズにすることが可能です。

ローコードアプリケーションプラットフォームであるCMSと組み合わせ可能なローコードアプリケーションを紹介します。

Airtable

WebflowやBubbleと連携し、Airtableをデータのバックエンドとして使用します。例えば、Airtableに保存された顧客データや商品情報を、Webflowでデザインされたフロントエンドで表示し、Bubbleを使ってデータの操作を行うことができます。

Xano

Xanoは、バックエンド開発を簡素化するためのローコードプラットフォームで、APIベースのバックエンドを迅速に構築できます。データベース管理、認証、ビジネスロジックなどをサポートし、スケーラブルなバックエンドを構築可能です。Xanoを使用して、アプリケーションのビジネスロジックやデータ操作を処理し、WebflowやBubbleで構築したフロントエンドと連携させます。

Shopify

Shopifyは、eコマースに特化したプラットフォームで、Webflowで作成したカスタムデザインをShopifyの強力なeコマース機能と統合することで、魅力的なオンラインストアを構築できます。WebflowのデザインとShopifyの販売機能を組み合わせることで、柔軟なオンラインショップを実現できます。

Auth0

Auth0は、ユーザー認証と管理に特化したプラットフォームで、Webflowで構築したWebサイトに統合することで、ユーザー認証を追加できます。例えば、メンバーシップサイトを構築し、ユーザーがログインしてアクセスできる専用コンテンツを提供することが可能です。

誰でも作れるなら安い方がいいのか?誰に依頼しても同じなのか?

ノーコード、ローコードと聞くと誰でもできるのではないか。簡単なのではないかといった期待感が大きくなります。 以前から企画、コンテンツの作成、情報整理、プロジェクト管理には従来からプロジェクトの軸になるものでしたが、あまり目立つことなく、評価されにくい部分でした。

制作会社もデザイン費やライティング費などのわかりやすい項目に予算をつけ、相場観を見ながら見積書を作成するケースが多かったと思います。そのため、単純に考えると、ローコードやノーコードになれば費用が下がりそうです。しかし、無形な価値に金額を入れられなかった背景を考えると大きく相場感が変わることはないと思います。

実際には、フォント1つ選ぶのに1日以上かかることもあります。プロジェクト全体には、Webの計測やマーケティング、API連携、セキュリティ、Cookie管理など多くの要素を含みます。これらを把握し、擦り合わせるために一定の能力や知識が必要です。

ローコードにより、柔軟性や拡張性が増す、付加価値の高い業務に時間を割けるようになるといったことが最大のメリットではないでしょうか。

ローコード開発の依頼を行う上で、抑えておきたいポイントをまとめました。

1. 誰に依頼しても同じではない

単に安価な制作を求めるだけでは、企業が本当に必要としている付加価値が提供されない可能性が高いです。Web制作は表面的なデザインや開発だけでなく、ユーザーエクスペリエンス(UX)、マーケティング戦略、SEO、そしてブランドの一貫性など、広範な視点で考える必要があります。このため、深い理解と経験を持つ専門家や制作会社に依頼することが、プロジェクトの成功に繋がります。

2. 中長期的な視点が重要

特にビジネスにおいては、長期的な関係構築が非常に重要です。短期的なコスト削減を優先して安価な業者を選ぶと、後々追加の修正やリニューアルが必要になり、結果的にコストがかさむことがあります。信頼できるパートナーとの長期的な関係を築くことで、継続的なサポートやアドバイスを得られ、プロジェクト全体の品質が向上します。

3. 付加価値の再定義

デジタルマーケティングの進化に伴い、従来の「制作物」そのものだけでなく、その背景にある戦略や思想が重要視されるようになっています。たとえば、ユーザーのニーズを深く理解し、それに応じた情報設計を行うことが、競争優位性を高める要因になります。ここでの「付加価値」は、単なる見た目の美しさや機能性を超えて、ユーザーにとっての価値をいかに提供できるかに移行しています。

4. プロフェッショナルの必要性

特に技術的な要素(API連携、セキュリティ、Cookie管理など)を含むプロジェクトでは、専門知識が不可欠です。これらを正しく設計し実装するためには、経験豊富なプロフェッショナルが必要であり、これも付加価値の一部と考えられます。

クライアントと制作会社が一丸となってプロジェクトを成功させるために、信頼関係を築き、長期的な視点で戦略を練ることが、結果的に最もコストパフォーマンスの高い選択になるでしょう。目先に割安を優先せずに中長期的に関係構築できる企業を選択することも重要になって行きます。

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