メディア戦略の作成方法
メディア戦略は、マーケティングの目標を達成するために、特定のメディアを活用する戦略の一種です。メディア戦略により、戦略的に特定のメディアを活用し、ターゲットとなる消費者にリーチし、効果的にブランドメッセージを共有することができ、マーケティング費用を最大化することができます。
メディア戦略は、予算やターゲット、目的によって、アプローチが異なります。
例えば、大きくは予算や会社規模によって、「メディア集中戦略」と「メディア分散戦略」のどちらのアプローチを取るかはおおよそ決まるのではないでしょうか。
また、メディアタイプ(メディアの種類)も様々です。メディアタイプの流行によって、「オムニチャネル戦略」や「コマースメディア戦略」など「××××戦略」というキャッチーな言葉が誕生して、何か新しいマーケティングができたかのように感じてしまいますよね。
しかし、従来のマーケティングの系譜から新語は発生していて、メディアタイプに関するキャッチーな新語たちはすべてメディア戦略の一つと考えるべきです。企業のマーケティング部門で働いている場合、新語を覚えるよりも「メディア戦略」というマーケティングの重要な役割を理解することファーストステップです。
この記事では、メディア戦略の作成方法を学ぶための手順を示し、メディア戦略の例を紹介します。
メディアタイプ(メディアの種類)とは
メディアの主なタイプは、「Paid Media」、「Earned Media」、「Owned Media」に加えて、最近ではRMNなどの「Commerce Media」を加えた4つのタイプに大きくは分けることができます。
話は少し脱線しますが、日本では「Paid Media」、「Earned Media」、「Owned Media」の3つが「トリプルメディア」と呼ばれています。「トリプルメディア」は、2009年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会が提唱した概念で、「トリプルメディア戦略」と言われ、一時期は流行った言葉でした。
海外では、従来から「Paid media」「Earned media」「Owned media」は主な3つのメディアタイプとして重要視されています。また、世界的に有名なモデルは、「PESOモデル」です。「Paid media」「Earned media」「Shared media」「Owned media」の略称で、ジニ ディートリッヒの 2014 年の著書「Spin Sucks」で登場したキャッチーな言葉です。
出展:PESO Model™
Spin Sucks PESO Model™ は 2020 年 3 月に更新されました。変更内容は下記になります。
戦術ではなく戦略に重点を置くようにアップグレード
Google+ と Vine が共有メディアから削除
電子メールマーケティングは有料メディアとオウンドメディアの間に配置
リード生成、SEO、配信とプロモーション、マーケティング コミュニケーションの追加
「トリプルメディア」や「PESOモデル」は、言葉がキャッチーで、意識高い系を惹きつけますが、言葉を知っていることがすごいわけではありません。これらは、メディア戦略の中の一つの概念という意識は持っておくべきでしょう。(PESOモデルはとても細かいので、体系的にマーケティングを理解するためには非常に参考になります。)
メディアタイプ
メディアタイプの捉え方やセグメントの仕方は概念によっても変わってくる可能性もあります。
まずは、メディア戦略を考える上では、下記の基本的な4つのメディアタイプがあることを抑えておきましょう。
ペイドメディア
広告費を支払って、自社のプロダクトやサービスを宣伝します。
ソーシャル メディア広告、リスティング広告、テレビやラジオのCM、Webメディアの記事広告、屋外看板、タクシー広告、トレインチャンネルなど例として挙げられます。
アーンドメディア
支払いや手数料が不要で、第三者によって生成されます。メディア戦略の中で最も優れたタイプの 1 つと考えられています。第三者によるブランドや企業の宣伝を通じてブランドや企業への信頼を高めるために機能します。
ブログ投稿、ソーシャルメディアのシェア、口コミ、レビュー、ソーシャルメディアでのメンション、テレビのインタビューが例として挙げられます。
オウンドメディア
ブランドの認知度やエンゲージメントを促進するために、Web サイトやブログで公開するコンテンツマーケティングです。自社で運営するオウンドメディアは、ソーシャル投稿、記事、ニュースレターなどに再利用できます。
コマースメディア
リテールメディアをさらに拡張したもので、ECサイトとメディアが一体となった仕組みのことです。
メディア戦略立案のステップ
メディアタイプを紹介してきましたが、メディアタイプがあるか知っておくことで、具体的なメディア戦略を立案しやすくなります。
メディア戦略立案で、最も大事なことはメディアタイプを覚えることではありません。
制約がある中で、パフォーマンスを最大化できるメディアを選択することです。これには長年の経験とロジカルな思考が、パフォーマンスを最大化にします。
「メディア集中戦略」と「メディア分散戦略」のどっち?!
特に決め手になるのは、「メディア集中戦略」と「メディア分散戦略」のどちらのアプローチを取るかではないでしょうか。予算やターゲットなどの条件下で、どちらの戦略が適しているのかをイメージし、経営層やメンバーと適切なコミュニケーションを取れるようにしましょう。わざわざ「メディア集中戦略」であるか、「メディア分散戦略」であるかを言葉にして確認することもあまりないので見落とされがちですが、とてもポイントになります。
メディア戦略の作成手順
それではメディア戦略の作成手順について紹介します。手順通りに行くこともなく、行ったり来たりを繰り返して、メディア戦略は作成していくことになります。アジャイルな部分もあり、実際に運用を開始してから、変更することもあるでしょう。
1.サービスやプロダクトの購入するターゲット像を明確に掴む
最適なメディア戦略を選択する前に、まず理想的な視聴者を理解する必要があります。
2.目的を明確する
メディア戦略を使用する際には、達成したいことをしっかりと理解することが重要です。目標を知ることは、使用する最適なメディア戦略を決定するのに役立ちます。
3.ターゲットと目的にマッチしそうなメディアタイプを検討する
予算が限られていてアーンドメディアを使いたいけど、ペイドかオウンドじゃないとリーチできない場合もあります。
4.予算を決定する
マーケティングプロジェクトの予算を決定します。使用するメディア戦略の種類に影響を与える可能性があります。
5.具体的なメディア戦略を作成する
測定可能な目標を施策ごとに設定します。SMART 目標を設定することで、アジャイルで調整をかけることも、施策を評価することもで、期待に応える可能性が上がります。
メディア戦略でお悩みはありませんか?
メディアへの出稿費用を最大化するために、メディア戦略が鍵を握っています。
さらに適切なターゲットを関連性の高い説得力のあるストーリーで引き付けるかどうかもマーケティングにおいて重要です。
ブランドとマーケティングが連携して最高のパフォーマンスを発揮する可能性が広がります。メディア戦略、ブランド構築やマーケティングで何かお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。