Adobe Premiere Proの代替は? DaVinci Resolve、HitFilm…

Adobe Premiere Proの代替は? DaVinci Resolve、HitFilm…

2007年の頃から、TV番組制作の映像編集でPremiereを使い始めました。まずはPremiereから覚えて、現場によって編集ツールが違い、EDIUSやFinal Cut Proもよく使っていました

どれか一つのツールで編集を覚えれば、どれもキャッチアップには時間がかからなかったので、時間を割いて勉強したことはありません。(After EffectやPhotoshop、Illustratorなどは覚えることが多く、『MdN』を見ながら仕事の合間に学習しました。)

当時は、今のように必死にスキルアップというプレッシャーを感じるような時代でもなかったので、単純に楽しいから覚えていました。現在は、スキルがツールの数だけあるようにも感じますし、キャッチアップやキャリアアップに踊らされてしまう感じもあります。

キャッチアップと業務の比重はとても悩ましいです。

キャッチアップだけに時間が取られてしまうと生産性は下がってしまう…。

代理店や制作会社でいうと新しい技術をキャッチアップして、サンプルを作って、販促をします。あまり早いタイミングで新しい技術を取り入れると片手落ちになってしまいます。ニーズの分析もできないまま、販促に移って、その後にニーズを分析するというプロセスになってしまいがちです。

例えば、Adobeに関しては、新しいアプリや技術をキャッチアップしようと思えば、キリがない状態でもあります。

短期間でAdobeでは多くのツールや機能が登場していて、サブスクでお金を払っている価値を感じるために、機能に追いつかなければとチャレンジしてしまいます。

しかし、仕事としては使う場面は少ないことも。サンプルにしても、クオリティに満たない状態のまま、もうこれ以上は時間をかけられないので、公開は諦めようといったことはよくありました。これはとても悪循環は感じていました。

また、こういった新しい技術には新規参入しやすく、差別化が難しくなります。やっていることはクリエティブというよりもツールを使いこなせるアピールに留まってしまうのです。

redditでは下記のようなコメントも多く見受けられました。(映画や音楽サービスなどのコンテンツに関してのサブスクリプションは合理的であると賛成した上で、Adobeのサブスクリプションに対しての意見です。)

However, creative tools that people spend years to learn, and put their hard work into creating content are completely locked out of accessing the work and abilities unless they pay the endless subscription fee. This feels a bit like a digital slavery.

しかし、人々が何年もかけて習得し、コンテンツの作成に一生懸命に取り組んだクリエイティブ ツールは、終わりのないサブスクリプション料金を支払わない限り、その作品や機能にまったくアクセスできません。これは、デジタル奴隷制度のような気がします。

They’ve turned their users into a bunch of resentful slaves who have taken away much for the joy of casually using an application.

彼らは、アプリケーションを気軽に使う喜びと引き換えに、ユーザーを恨み深い奴隷の集団に変えてしまいました。

出典:reddit

このコメントの気持ちは、少し共感してしまう部分はあります。

2024 年 3 月 5 日から、Adobe Creative Cloud コンプリートプランおよび単体プランの価格が改定されました。Creative Cloudコンプリートプランは7,780 円/月 (税込)となりました。2019年2月11日以前は、4,980円/月(税別)だったことから、かなり値上げされています。

生産性や費用対効果を考えると、そこまでの機能も複数のアプリケーションも使わないので、これを機に一旦解約して、他のツールにチャレンジすることにしました。

(※Adobeから切り替えをするにあたり、Photoshopの代替になる「GIMP」というアプリケーションも大きかったです。ただ、GIMPを利用した場合、撮影段階である程度のクリエイティブにしておかないと厳しいです。)

こういった心境の変化もあり、今回は無料で使える動画編集アプリケーションに絞って探しました。 人気の高い無料の動画編集アプリケーションを実際に使用して見たので、紹介したいと思います。

Adobe Premiere Proの代替ツール

真っ先に思い浮かんだのは、使用したことがあるFinal Cut ProEDIUS。しかし、どちらも有料でした。

そこで、ソーシャルメディアに書かれている感想などを参考しながら、無料で業務用の映像編集に対応できそうなアプリケーションを探しました。私が探した限りでは、「DaVinci Resolve」「HitFilm」が人気でした、2強でした。 そこで、この2つのアプリケーションを使ってみました。

DaVinci Resolve

DaVinci Resolveは、オーストラリアの映像機器メーカーBlackmagic Design社が開発した動画編集ソフトです。映画業界でも採用されるほど、非常に高い画質と性能を実現しています。

無料版と有料版(DaVinci Resolve Studio)があり、プロフェッショナルなビデオ編集ができます。 編集、カラー、VFX(視覚効果)、モーショングラフィックス、オーディオに対応。

編集モードで適用できる特定のエフェクトがあり、これは Studio (有料) のみ。

Premiere(Adobe Premiere Pro)とAE(Adobe After Effect)でできることはすべてDaVinci Resolveでもできます。 DaVinci Resolveは、直感的ではないので、ノーマルな編集をするにも、最初に躓きます。

 DaVinci Resolve

キャッチアップにかかる時間はHitFilmよりもかかりますが、マスターすれば問題ないとわかりました。 努力する価値はあると思います。プロフェッショナルな映像制作現場では、DaVinci Resolveが業界標準として広く認知されており、他のソフトウェアとの互換性も高いです。

HitFilm

HitFilmは、FXhome社が開発した、高機能な映像編集・VFXソフトウェアです。 無料のビデオ編集ソフトで、VFX(視覚効果)も簡単に追加できます。プレミアム機能は追加購入可能です。

Premiere(Adobe Premiere Pro)と似ている構成で、Premiereユーザーはとても使いやすいと思います。多くの場合、そこまで編集が複雑になることがないので、HitFilmで十分です。

HitFilm

心地よいツールは何か?

最近は、新しいツールや技術が次々と登場が加速し、スキル偏重型になっているムードも相まって、忙しない気持ちになりました。

結局、最新の技術に目を向けることは大切ですが、すべてのツールを完璧にマスターすることも難しく、あれもこれもと焦ってしまう。今回は思い切ってAdobeから他ツールへ移行しました。値段が上がった分だけ会社やチームにとって価値を生み出しているか精査することは必要な作業だったと感じました。

Adobeから他の編集ソフトを試して3ヶ月後…

他のツールを導入して試してみましたが、結局はAdobeに戻しました。何よりすっごいベーシックな話ですが、フォントが選べるのは大きい。

また、エフェクトなどもやはり付けやすいのです。Adobe Premiere Proでは10秒でできることが5分も10分も資料を読み漁っていると、やっぱり恋しくなってしまうのでした。

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