クラウドサーバー界隈の買収やプラシングの変更のお話
IaaS(nfrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、ホステッドプライベートクラウドを含むクラウドインフラ市場ではAWSが30%以上、Microsoft Azureが25%以上のシェアを誇っていますが、サーバーレスクラウドサービスも人気です。
Jamstack Community Surveyによると、サーバーレス機能を試したことがあると回答した人の数は 46% 。
サーバーレスサービスやサーバレスとも言われています。短期間で開発を進めたかったり、保守費用を省きたかったりするケースも多くあり、サーバーレスは便利です。
サーバレスはFaaS(Function as a Service)形式のサービスで、サーバーなどのインフラをクラウドサービスに一任し、開発者がプログラミングに集中できるサービスを発展させたものです。Functionは「機能」や「関数」、「役割」といった意味で、アプリケーションの主な目的を達成するために相互に結合された小さなアイデアです。
サーバーレスコンピューティング界においては、AWS、Google Cloud、Azure といった主要なクラウドプロバイダーからもサービスが提供されています。AWSでは、AWS Lambdaといった製品が知られています。 他にも多くのプレーヤーが存在しています。例えば、Vercel、Netlify、Cloudflare、Fastly などがあります。 Vercel、Netlifyは、フロントエンド開発向けのプラットフォームです Cloudflare、Fastly は、エッジコンピューティング製品で、CDNによるリアルタイムのデータ処理と高速キャッシングが特徴です。Foxなどさまざまなライブ動画配信の裏でFastlyは活躍していることは知られています。
様々な種類のサーバーがあり、サーバーの特徴を知ることで、プロジェクトにあったサーバーを選択することができます。
一方で、買収や機能追加など目まぐるしいこともあります。何かサーバーで動かしたら、それに対して、変更や修正、改修は続けていくことはもちろん、どんどん変わっていく機能や環境に適応していくことも必要になります。
今回はプライシングの変更や、サーバー関係の買収やプライシングの変更に関する紹介します。
NetlifyによるGatsbyの買収
Netlify はFaaS(Function as a Service)で、インターネットを介してサーバを利用できるため、サーバレスな開発できます。ちなみにAWS Lambda (us-east-2 AWS Lambda リージョン)にデプロイされるようです。AWS LambdaもFaaSです、FaaSの走りはLambdaです。
2023年2月に、ホスティング&サーバレスバックエンドサービス「Netlify」は、オープンソースのGatsbyJS フレームワークを開発する競合企業である Gatsby を買収したことを発表しました。
Jamstack(主としてJavaScript、API、マークアップを使い、高速の静的WebサイトやWebアプリケーションを作成する方式)に関心がある人たちにとっては驚きだったのではないでしょうか。Jamstackでサーバーレスな環境にすることは多くあり、密接に関係しています。下記はオーソドックスな Jamstackを採用した簡易な構成図です。
買収されたGatsby という会社には 3 つの主要なコンポーネントがあり、一つにサーバレスを提供するサービスでした。
Gatsby Cloud
Gatsby フレームワーク
Valhalla Content Hub
Netlify が Gatsbyを買収したことで、 Gatsby Cloud は2023年9月23日で終了することになりました。
Next.js を開発したのが サーバレスサービスのVercelですが、VercelでもNext.js 専用ではありませんが、フレームワークとサーバレスサービスとの結びつきは強いです。選択するフレームワークによってサーバレスサービスを決める人もいるでしょう。
人気のフレームワークとは
フレームワークの人気で言うと、Gatsby は依然としてプロジェクトの 28% で使用されており、Jamstack フレームワーク/SSG の点では Next.js に次いでいます。 また、2022年はサーバーレス技術の利用が2021年と比較して25%も上昇しています。
ちなみにこのサイトのサーバーは、実はGatsby cloudにするか、Netlifyするか迷って、Netlifyにしました。理由はGatsbyをフレームワークに採用しなかったからです。 自社サイトはJamstackを採用していて、CMSはヘッドレスCMSであるContentfulで、フレームワークnuxt.jsで、ホスティングサービスはNetlifyです。(Netlifyだったので対応せずに済みました。)現在、基本的にはcontentfulもNetlifyも無料枠でおさまっています。
スタートアップ企業RemixはShopifyに
Reactで開発しながら、サーバーサイドの処理も同時に書けるのがRemixです。2022年10月にはスタートアップ企業RemixはShopifyに買収されました。
Herokuの無料枠が廃止、Renderへ移行?
PaaSソリューションです。 Heroku は当初、Ruby と Ruby on Rails のみをサポートしていましたが、さまざまな言語やフレームワーク(Node.js、Ruby on Rails、Python Flaskなど)で簡単にデプロイできることで開発者に人気でした。しかし、無料データベースは2022 年 11 月 28 日から削除されることが発表されました。
RenderはHerokuよりも後発のクラウド アプリケーション プラットフォームです。Render の無料枠に移行するなど代替のサーバーが求められました。
AMIMOTOも料金改訂
AMIMOTOはAWS 上で構築する、フルマネージドの WordPress ホスティングサービスです。SaaS型のサービスです。
いつもAmimotoマネージドホスティングをご利用いただき、誠にありがとうございます。 弊社サービスにおきまして、安定的な価格維持に最大限努めてまいりましたが、サービス提供に関連するコストの高騰により、現状の価格を維持することが非常に困難な状況に至っております。
WordPress などのアプリケーション層の管理は必要になりますが、インフラ層、OS層、ミドルウェア層の管理はAMIMOTO側でやってもらえるので便利!です。
サーバーの種類を整理
色々説明しましたが、今回はクラウドサーバーを中心のトピックでした。 クラウドサーバー以外にもレンタルサーバーといったものもあります。どういった違いがあるのか簡単にまとめておきました。
レンタルサーバー
1つの物理サーバーを複数ユーザーで共用している状態です。他のユーザーの影響も受けやすいデメリットがあります。
VPS
1つの仮想サーバー群を個別で利用しています。
クラウドサーバー
複数の仮想サーバーを個別で利用しています。サーバレスもクラウドの一種ではあります。サーバーレスはFaaS形式で、クラウドサーバーはPaaSやIaaS形式でサービスを提供されます。
変化があるのは前提に
料金が変更されたり、機能が追加されたり、買収があったりとテック関連は動きが激しいです。
これに加えて、マーケティング領域では旧GA(UA)は、2023年7月1日をもってサポート終了となりました。GA4に移行となり、BigQueryも活用しやすくなり、データ活用はより一層に進むことが予想されます。マーテック網羅したい!と思えば、本当にどれだけスキルあっても足りないくらいに感じます。
ブランド、マーケティング、サーバー、フロントエンド、データ活用と理解する範囲はどんどん増えます。
どの言語で開発するかもサーバーの選択を決める一つの要素になります。あと開発が慣れている言語で開発したいので、そういったことにも左右されます。
顧客管理の観点ではMicrosoftとSalesforceが強いですが、CRMやMAを含めて、データの連携とビジネスシナリオ策定を考えることが肝心な部分かもしれません。
サーバーレス、コーディングレスなど聞くと、誰でもできるのかな?簡単なのかな?というイメージを持ちやすいのですが、全くその逆だと感じます。
タレント性をどのように活かすのか、ビジネスシナリオのベストプラクティスは何かと考えることは、広範囲な知識を要するようになったものだなと感じます。
身動きが取れる状態がベスト?
さらに変化が激しいテック業界を踏まえると、なるべくエンジニアロックがかかりくいサービスが個人的にはいいのかなと思います。何を持って「ロック」とするのかも人それぞれですが、エンジニアロックや運用者ロックがかかりやすい場合は、使い所を選ぶと方が無難かなと感じます。
極論、データが一括でDLできることは望ましいことです。
コンテンツを大切に
あと基本的なことですが、コンテンツ管理の面では、何でも簡単にポンポンとノーチェックでコンテンツを世に出せる感じではなくて、チェックしてプレビューして予約して世に出せる状態にすることも重要だと感じます。複数人で運用できて、フローを組み込めるのも一つのメリットになります。