急激なトラフィックの減少はなぜ?!データの収集と測定の変更が起こる2024年
サイトでサードパーティ Cookie を使用している場合は、Google でのサポート終了が近づいているため対応が必要です。
2024年1月、Chrome ブラウザは、トラッキング防止ツールを通じて 1% のユーザーに対してサードパーティ Cookie の制限を開始し、2024 年第 3 四半期にはこれらの制限を 100% のユーザーに拡大する予定でした。
しかし、英国の競争・市場庁(CMA)は、サードパーティCookieを削除する決定について懸念を表明しました。そのため、英国競争・市場庁の承認を待って、Googleは2025年第1四半期にChromeサードパーティCookieの100%を廃止すると発表しました。 (2024年第3四半期から延期)。
サードパーティ Cookie の廃止後に何が起こるかという不確実性のレベルを考えると、Cookie が廃止された後の明確な行動計画をまとめるのにさらに時間が必要であることは明らかであり、マーケティング担当者にとってはさらなる遅延は良いことしかありません。
サードパーティの Cookie は、Firefox と Safari の両方ですでに廃止されていることを組織が念頭に置くことも重要です。Appleの ITP (AppleがSafariに搭載しているトラッキング防止機能)は、iOS11からすべてのブラウザにも適用されました。つまり、デバイスとブラウザ、どちらにおいても個人情報を守るような方向性になっています。
世界的に、Google Chrome はWeb ユーザーの約 65%で最も高いブラウザーシェアを誇っていますが、米国と EU の一部の組織では、トラフィックの大部分がすでに「Cookie レス」になっています。
デジタル マーケティング担当者にとって、これまでの経過は何を意味するのでしょうか。もう少し時間を稼げたのでしょうか、それともまだ間に合っていないのでしょうか。
急激なトラフィックの減少は、アルゴリズムの変更ではない?!
Redditでも80%もGAでのトラフィックが減少したことが報告されていました。一方で面白いことに、日本人によるXの呟きでは「アルゴリズムによって急激な減少が起きた」と書かれていることがほとんど。
I really don't use GA for much other than recording daily pages views but around Monday/Tuesday this week they've dropped dramatically - I'd estimate something like 80%. I've not made any changes, either to my site or to GA, so I don't know why.
出典:Raddit
広告収益などは、同じ期間にはまったく正常であるため、トラフィックが減少したわけではないことはわかっていると書かれています。さらに、GA が現在すべてのサイト トラフィックを報告しているわけではないと、私は 100% 確信していると書かれています。
FLOURISHでも、複数のサイトをモニタリングする中でデータの欠落を感じることがあります。
サードパーティの Cookieの廃止の理由
データの欠落が起きる原因でもあるサードパーティの Cookieの廃止はなぜ進められているか紹介します。
サードパーティCookieとは、ウェブサイトとは異なるドメインから発行されるCookieであり、ユーザーの閲覧履歴などを追跡するために使用されます。
近年、EUの一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)など、個人情報の保護に関する規制が強化されており、サードパーティCookieの使用が制限されています。
従来のGAでは、ユーザーの同意なしにCookieを使用してデータを収集していたため、これらの規制に抵触する可能性がありました。Google AnalyticsによるサードパーティCookieは、収集されるユーザー データの量と種類、そのデータの用途、データの所有者、データの保存期間に関して、プライバシーに関する懸念がありました。
SafariやFirefoxなどのブラウザでは、サードパーティCookieのブロック機能が強化されており、すでにGAによるデータ収集が制限されています。ブラウザでは、iOS11からすべてのブラウザで ITP (AppleがSafariに搭載しているトラッキング防止機能)が搭載されています。
サードパーティのCookieは違法ではない
とても悪者のイメージが付きがちなサードパーティ Cookie ですが、廃止する法的要件はありません。サードパーティ Cookie は「違法」ではありませんが、ユーザーの同意なしにそれを使用して個人データを収集することは違法です。
また、Cookie の広範な使用により、個人データが制御されない方法で共有されるようになりました。サイバー犯罪者は、ユーザーになりすましたり、金融データを収集したり、パスワードを盗んだりするためにこれらのデータを使用する可能性があり、実際に使用されています。
こういった状況の中で、インターネット広告における最大の利害関係者である Google が、サードパーティ Cookie を廃止することで、よりプライバシーへの配慮を推進するに至ったのです。Googleは、この収入源を息絶えさないようにするために、新しい方法の開発に注力してきたことでしょう。
デジタル マーケターにとって重要なのは、Chrome がサードパーティ Cookie を廃止するということではなく、このテクノロジーを何に置き換えるかということです。KPIの再設定やマインドのチャンジも必要になってくるでしょう。
Pardotってどうなの?salesforeceのcookieはどうなの?
Salesforce マーケティング ツールに関していくつかの措置を講じる必要があります。 ファーストパーティ トラッキングとは、Account Engagement (Pardot) の Web トラッキングが go.pardot.com ドメインから会社の指定トラッカー ドメイン (例: www2.companyname.com ) に移動されることを意味します。
Google Analyticsに変わる注目の計測ツール
GA4はクライアントサイド追跡で、JavaScriptを使用してブラウザ側でデータを収集します。このクライアントサイド追跡は広告ブロッカーやプライバシー設定による影響を受けやすいです。 そのため、サーバーサイド解析ツールは、近年注目を集めており、様々なツールが開発されています。 Matomo、Plausible、Fathomは、いずれファーストパーティデータを収集するWeb分析ツールで、Google Analytics の代替として最も人気のあるツールです。
GA4、Meta など、ほとんどのプラットフォームとサービスでは、クライアント側 (訪問者のブラウザ) ではなく、自分のサーバーまたはサーバーから測定と追跡を設定するための API が提供されています。サーバーサイドGTMの設定はより複雑で、技術的なスキルが要求されます。
例えば、sGTM(Server-side Google Tag Manager)は、サーバー側でデータをキャプチャするため、より正確で信頼性の高いデータ収集が可能です。しかし、設定はより複雑で、技術的なスキルが要求されます。さらにサーバー側での処理を行うため、追加のインフラコストが発生する場合があります。具体的には、GTMの管理画面で新しいサーバーサイドコンテナを作成し、Google Cloud Platform(GCP)で新しいApp Engineアプリケーションを作成し、GTMサーバーサイドコンテナをデプロイします。
サーバーサイドGoogle Tag Manager(sGTM)の設定において、キャッシュやコンテンツ配信ネットワーク(CDN)の考慮は重要なので、技術的にもコストはかかります。
今後のデータの扱いとマーケティングへの適応
同意管理プラットフォームを導入する
デジタル マーケティングの中心に同意管理プラットフォームを配置することで、サードパーティ Cookie 後の戦略を設定する際に同意に基づくアプローチを確実に実施でき、GDPR、ePrivacy 指令、その他の世界中のプライバシー法に準拠できるようになります。
データ収集の法的根拠があることを確認する
CMP を導入すると、ユーザー/訪問者からの同意を管理するシステムも整います。そのため、CMP はプライバシーに配慮したマーケティング戦略の中心であり、特にサードパーティ Cookie 以降の世界では重要です。
Consent Mode v2 API は、GA4、Google AdsなどのGoogleのエコシステムにおいて重要なギアとなります。Google はEEA(欧州経済領域)においてConsent Mode v2 を必須にしており、サードパーティ Cookie の廃止よりも避けられないものとなっています。少なくとも、Google Ads の運用を最大限に活用したいのであればそうです。
KPIを再考する
サードパーティ Cookie 後の状況は、大雑把に言えば、より品質を重視し、虚栄心を少なくする機会として捉えることができます。
ファーストパーティデータ戦略を構築する
ニーズに応じて、ファーストパーティ データ戦略を処理するための堅牢な顧客データ プラットフォームも提供するMatomoなど、プライバシーとデータ所有権がより高い分析ツールへの移行を検討してください。
計測と広告のどちらにとってもベターな方法を検討しましょう
データ駆動でマーケティングを行なっている場合は、計測は精度を上げたいところです。広告を運用している場合は角度の高いターゲットを集めたいところです。
Google AdsではConsent Mode v2 を必須になるので、Consent Mode v2 API を活用しつつ、広告を運用しましょう。Consent Mode v2を入れても計測の精度が上がるかは定かではありません、データの欠落は起こると思います。
計測のためには、サーバサイド解析を行うこと。広告のためにはConsent Mode v2やCMPを入れること。どちらもの対応がミニマムでも必要になることが想定されます。s