不透明な時代、次の景気循環での成功のポイントとは?マーケティングは何をすべきか?
不景気は経済の自然現象で、好況と不況を繰り返すことを景気循環(Business cycle)と言います。Expansions(拡大) peaks(ピーク) contractions(縮小)troughs(底)を繰り返し、経済がずっと拡大し続けること、好況を維持し続けることの方が不自然というわけです。そして、株式市場は、今後の経済の逆風を察知し、売りに出します。人々も消費に消極的になります。
全米経済研究所 (National Bureau of Economic Research)では、「景気後退は経済活動の大幅な低下を伴い、それが経済全体に広がり、数か月以上続くこと」と定義しています。
全米経済研究所 によると、最新のpeaks(ピーク)は 2020 年 2 月に発生しました。最新のtroughs(底)は 2020 年 4 月で、2ヶ月間の景気後退で終わりました[※1]。
1857年6月から今までに33回のサイクルがありました。2007 年の記憶に新しい金融不況は、18ヶ月(1.5年)続きました[※2]。当時は、なかなか転職しようにも求人も本当になかったように記憶しています。人為的に景気拡大や景気拡大を長引かせれば続けるほど、より大きな景気後退を引き起こすと言われています。
2023年に景気後退する可能性が多くのエコノミストに予測されていますが、どうなるのでしょうか。
景気循環は自然のサイクルですが、インフレによる企業の収益悪化、インフレによる消費者心理の変化、戦争の影響、COVID-19、サプライチェーンの混乱、労働人口の減少など多くの問題も抱え、複雑に影響しあっているようにも感じます。
次の景気循環で成功する方法とは?マーケティングは何をすべきか?
インフレ率の上昇が永続的なものか、先行きが見えづらい状況ではあります。インフレ率の上昇も労働人口の減少も長期的な問題として、短期的な対応をしながらも、より広い視野で考える必要はあるのではないでしょうか。
短期的な視点で、予算削減のためプロモーション費用を削減することは理にかなっていそうですが、闇雲に予算調整を行うのではなく、長期的な視点で最適化することが求められます。
過去の教訓から不景気時にシェアオブボイスを拡大し、ブランドの認知度を高め、市場シェアを向上させることが重要であるとも言われています。従来通りのシェアオブボイスの維持や拡大、それがどれだけ有効かは誰も知り得ないです。
景気後退の影響を最小限に抑えつつも、今後のリカバリーのためにマーケティング予算の効果を最大化することに重点を置き、そのための費用を投じる必要があります。
次の景気循環でのマーケティングのポイントを考えてみましょう。
新しい環境での成長
消費者、クライアントは、新しい環境でどのような課題に直面し、どのようなサービスや製品を探しているのでしょうか。課題を把握し、求めている価値を提供するために、製品とサービスを迅速に再設計します。
新しい市場でギャップが生まれている場合、いち早く顧客の行動の変化を捉え、ギャップを上手く捉えたサービスや商品は有効でしょう。
選択と集中
マーケティング予算を慎重に再配分することは、不透明な時代には重要になるでしょう。
短期的な広告予算の削減は需要の減少に合わせて有効かもしれませんが、長期的には広告費の削減を有効でないことを示唆することが研究からも証明されています。
しかし、一部の分野では縮小する必要があります、投資をより効率的に最適化するために注意を払いましょう。
プロモーションに費用をかけますか?それとも露出に費用をかけますか?
支出を削減しますか?それとも非効率を削減しますか?
人的リソースの確保
多くの業界では、従業員が退職して他のセクターに参入したり、フリーランスになったり、人的リソースはなかなか確保が難しくなっています。
自発的に仕事を辞めた人々は、思いやりのないリーダー、仕事のパフォーマンスに対する持続不可能な期待、キャリアアップの欠如などの要因を挙げました。
特にデジタルに精通した人材の確保は深刻です。解決策の1つは、企業が型破りなバックグラウンドを持つ候補者を採用することです。しかし、採用担当者は、業務遂行に従順な人を選びがちで、安全な選択を行う傾向があります。
さらに、デジタルマーケティングは急速に成長したため、景気後退を経験してない経験が不足している若手に役職を与えてきました。ビジネスの洞察力はまだ持ち合わせていない可能性もあります。逆風や強いプレッシャーを経験し、テクノロジーにも強く、ブランディングにも精通し、バランス良く対応できるマーケターはかなり希少性が増すでしょう。
サプライチェーン
特定のサプライヤーへの過度の依存、重要な製品の在庫不足、生産ネットワークの過剰な拡張などの運用上の弱点により、企業は不足や混乱にさらされました。在庫を持つ以外の手段も選択肢になり得ます。無駄のないサプライチェーンからさらなる節約を引き出すことができます。
持続可能性
経済的に制約のある環境では、持続可能性は、企業が回復力を構築し、コストを削減し、価値を生み出すための手段となる可能性があります。環境に優しい製品と価値提案により、企業は差別化を図り、市場シェアを獲得する可能性も。
参考