BSC(Balanced Scorecard)
BSC(Balanced Scorecard)とは
BSC(Balanced Scorecard)の基礎知識
BSC(Balanced Scorecard:バランススコアカード)は、戦略を実装および管理するためのフレームワークです。
バランススコアカードは、ハーバード大学教授の Robert S Kaplan とコンサルティング会社を経営する David P Norton によって考案されました。1992 年の Harvard Business Reviewに、彼らによって書かれた論文が初めて公開され、 バランスバランス スコアカードの概念が提示されました。
Balanced Scorecardを直訳すると、「バランスのとれた得点表」となりますが、従来の財務的指標に加えて、3つの非財務的指標から策定されています。
バランススコアカードに非財務指標を加えた理由
従来は経営計画の実行管理は、経営戦略に基づき中期経営計画が策定されます。さらに、中期経営計画をベースに中期利益計画を検討し、具体的な会計情報に落とし込みます。3~5年にわたる中期利益計画を、短期利益計画にブレークダウンし、年度予算を編成します。こういった会計情報のみを追跡する経営計画の実行には限界があり、顧客の満足度や品質、従業員の働きがいがわからないという課題がありました。
そういった課題を解消するために、非財務情報を加えて、財務的指標と非財務的指標のバランスが取ることを目指して策定され、現在では多くの企業で導入されています。
バランス スコアカードの 4 つの視点
バランス スコアカードは、財務的指標と3つの非財務的指標から成り立っています。
バランス スコアカードが重点を置く主な領域は次のとおりです。
財務的な視点
顧客の視点
内部ビジネスプロセスの視点
組織能力の視点(学習と成長の視点)
財務的な視点
ビジネスの収益性を正確に把握するには、財務指標が重要です。
組織の財務実績と財務リソースの使用状況を表示し、行った投資から確実に収益を上げ、事業運営に伴う主要なリスクを管理します。
ROI
キャッシュフロー
決算概要
顧客の視点
企業が顧客に対する対応は、明らかに収益性に影響します。この視点は、顧客にどのように行動すべきかという観点です。
顧客満足度
顧客維持
配送パフォーマンス
高品質のパフォーマンス
内部ビジネスプロセスの視点
ビジネスがどの程度うまく運営されているか、製品やサービスが要求に適合しているかどうかを決定する目標と尺度が見つかります。内部プロセスを合理化することで、組織は最も重要なコスト項目の一部を削減できます。プロセスは、新しく創造的なアイデアに焦点を当てるのに最適な領域でもあります。
機能ごとの活動
プロセスの調整
プロセスの自動化
組織能力の視点(学習と成長の視点)
従業員のパフォーマンス、スキル、企業文化、リーダーシップに関する目標と尺度が見つかります。この分野にはインフラストラクチャとテクノロジーも含まれます。
働きがい
従業員の離職率
専門的な知識とスキルのレベル
トレーニングの機会
バランス スコアカードの新たな視点
3つの視点に加えて、環境や地域貢献、イノベーションなどの視点を加える企業もあります。
マーケティング活動のどんな時に、バランススコアカードは役に立つの?
戦略的バランス スコアカードの全体的な結果に大きな影響を与えるため、マーケティングにとって特に重要です。
顧客の視点としては、市場シェア、ブランドイメージと認知度、顧客獲得、サービスに対する認識と期待、顧客満足度、クロスセールス、継続率、解約や休会などが挙げられます。これらの対策はマーケティングに非常に関連しています。
また、会社全体のスコアカードが 1 つではなく、たとえば部門ごとに多数のスコアカードが存在する可能性もあります。