ROE(Return on Equity)
ROE(Return on Equity) とは
ROE(Return on Equity) の基礎知識
ROEはReturn On Equityの略で、日本語では自己資本利益率と言われています。
自己資本利益率 (ROE) は、企業の純利益を株主資本で割って算出される企業の財務パフォーマンスの指標です。
ROE = 当期純利益 / 株主資本
株主資本は企業の資産から負債を引いたものに等しいため、ROE は純資産利益率とみなされます。
ROE は、企業の収益性と、利益を生み出す効率を測る尺度と考えられています。
企業の収益性
利益を生み出す効率を測る尺度
ROEが長期にわたって持続的に増加するということは、企業が生産性と利益を向上させるために収益を再投資する方法を知っていて、株主価値を生み出すのに優れていることを意味します。対照的に、ROE の低下は、非生産的な資産への資本の再投資に関して経営陣が適切な意思決定を行っていないことを意味する可能性があります。
自己資本利益率 (ROE)の歴史
ROE は ROI の1つの指標です。ROIは、1920年頃に、化学会社のデュポン社によって考え出された財務指標です。 当時、ROI は企業の内部の業績評価だけに使用 されていたが、自己の投資額に対する リターンを表す指標を投資家や株主が企業に対して求めるようになっていました。
そこで、さらにデュポン社は、企業の業績を解明するデュポン式としてROEを開発しました。
ROE = 売上高純利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ
単純な自己資本利益率の計算式は純利益を株主資本で割ったものですが、別の要因に分解して求められています。 デュポン式 は、ROE の高低をもたらす要因を分析するのに便利な計算式です。
デュポン分析の公式に各要素を求める計算式を当てはめると下記になります。
ROE =(当期純利益/売上高)×(売上高/総資産)×(総資産/株主資本)
つまり、実質的には「ROE = 当期純利益 / 株主資本」と同じになります。
自己資本利益率 (ROE) からわかること
S&P 500 企業の上位 10 社の長期 ROE は平均約 18.6% ですが、特定の業界によっては大幅に高くなる場合も低くなる場合もあります。
自己資本利益率 (ROE)がマイナスになること
通常、純利益がマイナスの企業のROEは0であるため、ROEを計算できません。
純利益がプラスになっていて、負債が資産を上回り、企業の株主資本がマイナスになる場合があります。このような場合、計算式で求めたROEはマイナスの値となります。
ROEが10%を上回っていれば合格ラインという考えの方も多いと思いますが、自己資本を減らすなどの財務テクニックによってもROEは改善できるので、要因を分析することが重要です。