スキミング・プライシング

スキミング・プライシング

スキミング・プライシングとは

スキミング・プライシングの基礎知識

スキミング・プライシング(skimming price)とは、初期価格を高めに設定し、その後の価格下落に対処する価格政策です。 「初期高価格政策) 」「上層吸収価格政策」「上澄吸収価格政策」とも呼ばれています。 スキミングプライスを採用した価格戦略を、「スキミングプライシング(skimming pricing:スキミング価格戦略)」といいます。

例えば、家電製品などの技術革新が早い製品では、スキミング・プライシングが用いられています。次の世代の商品が出てくることを想定した価格設定にし、世代遅れになりディスカウント対象になって収益が落ちることをカバーします。具体的には、オーディオ機器、スマートフォン等、多くのケースで見られます。

マーケティング活動のどんな時にスキミングプライスを使うの?

スキミングプライスを採用することが有効な条件があります。

  1. 競合の出現が早期には困難だと予想される場合

  2. 需要の価格弾力性が低く、需要が価格の高低に左右されない場合

競合の出現が早期には困難だと予想される場合

稀少性のある原材料や巨額の生産設備の必要性があり、参入者が同じような新商品を作り出すことが難しい場合、特許などにより参入障壁がある場合は、先行利益を狙ったスキミングプライスを採用する可能性が高くなります。 購入することがステータスのようなブランディングを行うことで、企業や製品の社会的評価を高めることができるメリットがあります。

需要の価格弾力性が低く、需要が価格の高低に左右されない場合

新商品の需要の価格弾力性が低く、商品やサービスの価格が上昇してもそこまで需要が低下しない状態である場合にスキミングプライスは有効であるとされています。 発売当初の顧客層は、一部のマニアが購入するケースが想定されます。マニアが殺到することで、商品の購買ニーズが価格を超えるため、高めの価格設定が受容されやすいことになります。

リスクとしては、競合の参入を許してしまうことが挙げられるでしょう。 競合参入までの時間的な猶予の予測を考慮し、商品の需要を見極めることが肝要です。

なお、スキミング・プライシングとは逆に、市場シェアを獲得するために価格設定を低めにする価格戦略をペネトレーション・プライシングと呼ばれています。

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